さて、私たちは、なぜ迷信と承知していて、なおかつそれを気にし
また新しい迷信を生み出したりするのだろうか
その理由の一つは、人間が、科学性あるいは合理性一点張りの
動物ではない証拠と言うほかはないだろう
これだけ科学の発達した時代に生きていながら
人知を超えた存在なり、縁起、めぐりあわせの良し悪しなどを感じ
畏怖する心は、現代人の心にもまだ息づいている
北枕や仏滅など「~すると、よくない」式の
マイナス方向を暗示する迷信の方が
より強く意識されるのは、「ネガティブバイアス」という
言葉によって説明されることがある
プラスよりマイナスを気にする心理傾向をこう呼ぶが、
たしかに縁起の良いことより悪いことの方が
人間には気にかかるものなのだ
また、問題を日本人に限ってみると、現代の日本人が依然として
迷信を気にしているのは、一つ つの迷信の
ただごとではない「過去」を感じるからだろう
迷信には、私たちの祖先が信仰、信奉してきら習俗と慣習の
エキスが詰まっている。そのことを非自覚的にせよ意識しているため
日本人として何らかの無視しえない気持ち、
伝統をおかすことに漠然とした恐れを覚えるのである
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