霊魂に関して、最もよく知られた呪術は、わら人形に関するものだろう
これは霊魂信仰の悪しき変形ともいえ、本来形を持たない霊魂を
わら人形に乗りうつらせ、それを攻撃することで
相手を呪おうというものだった
「わら人形を栗の木にさかさに縛り、釘を打っておくと相手が早く死ぬ」
「わら人形に五寸釘を打ち、相手の寝室の縁の下に投げ込んでおく」
などというが、最も一般的な方法は
「神社の境内の神木にわら人形を縛り、21日間、
だれにも見られないように五寸釘を打つ」というものだった
その時刻は、「丑の刻」(午前2時ごろ)が最も効果があるとされ
その行為を他人に見られると効果がなくなると言われた
この方法、昔は実際にもよくおこなわれていたようで
木材商たちは神社の境内から
切り出された樹木を扱うことを嫌ったという
樹木の思わぬ場所に金釘が埋まっていて、のこぎりなどを
傷めることが多かったからだという
ちなみに現在の法律では、これらの行為はいわゆる
「不能犯」に当たり、それだけでは犯罪を構成しないといわれる
だが実際には、かつて痴情に我を失った女性が、
恋敵を呪い、検挙された例もあり、
行き過ぎれば「脅迫罪」になりかねない
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